1話 私、死んじゃった!?自分のお葬式を前に・・・。 あらすじ
1話 私、死んじゃった!?自分のお葬式を前に・・・。
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・・・―私は宮本花、16歳の高校生。
とても緊張しながら電車に乗っています。
それはなぜか。
つり革を持つ花の前に座るとってもかっこいい男子高生。
いつもの時間、いつもの電車、そして決まった席に座って本を読んでいる名も知らぬ男の子。
今日は【水面】(浅倉イツコ)という本を読んでいる。
整ったキレイな顔立ちと物静かな本を読む姿、私は彼に恋をしているのです―・・・
(どどどどどうしよう・・・こんなに近くになったの初めてだ・・・これはあれだよね、話しかけるチャンスだよね!!?)
彼との距離はわずか、そして彼は静止しているのでゆっくり心の準備ができる。
(あ!この前読んでた本と同じ作者だ。
よし!さりげな〜く聞き出そう!)
花は意を決する。
(「好きな作家さんなんですか?」って)
・・・・
(いやいやいやいや!そんなこと言ったらコイツどんだけ俺の事見てるんだって引かれるかも)
すぐにその案は引っ込める。
(でもこんなチャンスめったにない!大丈夫!
ポケットの中には恋愛成就のお守りも入ってるんだから!)
花は遂に行動に移した。
「あのっ、
その本・・・」『○○駅です。』
『お降りのお客様はお忘れ物にご注意ください』
無情な電車の扉が閉まる。
(結局言えなかった・・・)
花は先ほどの自分の行動に凹んでいた。
(なんで私って恋愛事になるとこうも何もできなくなっちゃうんだろう・・・)
折角かったお守りも効き目なしか・・・
そう思いながらお守りの入ったジャケットのポケットに手を入れる。
って・・・・「お守りがない!」
(どうしよう!どっかで落としてきちゃったんだ)
彼に声をかける勇気がもてなかった花には背中を後押しする重要アイテムだったのだ。
頭をかかえる花。
「おい」
更に凹む花の後ろから声が。
「はー、やっと追いついた。」
振り返るとそこには・・・あの彼が。
固まる花。
「これ、あんたのだろ」
憧れの彼が差し出したのは確かに花の『えんむすび』のお守り。
「さっき電車のなかで落としてった」
そう言って彼は花の手にお守りを乗せてくれた。
思わず頬が染まる。
「じゃあ俺急ぐから」
それだけ言って彼は雑踏の中にすぐにまぎれて行った。
(・・・・・うそ)
(うそ・・・・!)
じわじわと湧いてくる幸せ感。
(話しかけられちゃったし、手も触っちゃった)
(凄い!このお守り効果抜群だ!)
お守りスゴイ!お守りサマサマ!
確かにお守りには効果があったのだ。
(あ!でも絶対見られたよね、えんむすびって文字・・・)
ふと、気が付く。
(なんか恥ずかしいな)
そして思い出す。
(わざわざ走って追いかけてくれたんだ)
息を少し切らせながら自分を探し、呼びかけてくれた彼。
あ、
(ああ〜〜〜もう!私の馬鹿!
お礼位ちゃんと言えばよかった!
今度会ったら絶対言おう!)
そんな考えを道の真ん中で巡らせている花。
信号が赤になったことにも気づかずに・・・
(話しかける良いきっかけにもなるし!)
妄想で頭がいっぱいの花。
「危ない!」
危険を知らせるその声にも反応が遅れた。
「え?」
振り返った花に迫るトラック。
ドンっ。
悲鳴と騒ぎと救急車のサイレンと・・・
自分の置かれた状況が理解できないまま意識は遠のいていった。
色とりどりの花に囲まれた中で笑顔の花の写真が納まっている。
鯨幕に囲まれた部屋で泣いている人々。
(私、死んじゃったんだ)
自分の葬式を最後尾で突っ立って眺めながら、花はぼんやり思った。
花はまだ16歳。
人生はあっけなく終了した。
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1話 私、死んじゃった!?自分のお葬式を前に・・・。 感想
宮本花、16歳。
おさげ髪にメガネ、靴下はひざ下真っ白の完璧地味目な女の子。
そんな彼女が密かに恋をしていたのは電車で見かける男子高生。
やはりイケメン、そして今時のスマホをいじってゲームをやっているのではなく文庫本なんて読んでいる文学?青年。
ここで「本は今はキ○ドルでも読めますよ」なんてセールストークをいきなりぶちかましたら引かれるどころか車両を変えられる事態になるかもしれません。
花もそんなキ○ドルの回し者のような入り方ではなく正攻法で本について話すところからきっかけを掴もうと試みますがいかんせん純情乙女16歳。
自分の降りる駅に着く直前に弱弱しく声をかけても間に合いません。
でも決心するまでに時間がかかりすぎていざって時にはタイムオーバーなんてこと、ありがちですよね。
実はこんな恋に恋してる時間が一番ドキドキワクワクで気持ちが高揚する時だったりします。
だってこんなシチュエーション、恋愛物語には必ず付き物でしょう。
片思いの相手の動向を一つ一つなぞったり一喜一憂したり思い切ってみたり引いてみたり。
花は電車で見かけるだけの王子様に一番近づいたのが座ってる彼とその前で立っている自分でした。
他人として近づける限界ですね。
ここでは話しかけることに失敗しますがそのあとお守りの効果なのか彼の方から花を追いかけてくれることに!
人生有頂天の花。
その直後に訪れるのは人生の終わり。
いきなりものすごく残酷な始まりとなってしまいました。
さて魂の彼女の次の行動は?
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